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2020年10月29日
「MRSメニューセンサス」を使ってみた!~Part2~
~出来合いのポテトサラダを買っているのは誰?~

 

 

 以前、スーパーの惣菜売り場でポテトサラダを買おうとしている幼児連れの女性に対して、高齢の男性が「母親だったらポテトサラダくらい作ったらどうだ」という言葉を投げつけていた、というツイートが話題になりましたね。
 惣菜売り場には欠かせない存在のポテトサラダ。居酒屋メニューの中でも王道です。しかし、高齢の男性から「ポテトサラダくらい作れ」と言われるほど、家庭では手作りされているのでしょうか。

ということで、今回は、メニューセンサスでポテトサラダを取り上げることにしました!

J.K.はあまりポテトサラダを食べませんが、先輩M.O.と話したところ、「家庭料理に欠かせない副菜だし、"その家のポテトサラダ"みたいなこだわりがあるメニューなんじゃないの?」と言われたので、まず、手作り/出来合いの比率を時系列で見てみることにしました。

 

●MRSメニューセンサスとは?

 1978年から40年近く継続していることでは業界唯一の“家庭の食卓メニュー調査”です。日本の食卓の時系列変化を、コーホート的視点で分析することができます。食品メーカー、食材メーカー、キッチンメーカー、宅食業、流通業、外食産業などにおいて、商品開発や中期経営計画作りに活用されています。

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*メニューセンサスでは、「調理形態」を見ることができます。
 「手作り」「出来合」以外にも、「残り物」「出前」などの細かい区分があります。「残り物」は「手作り」のものが「残り物」として食卓に上った場合の調理形態なので、今回は「手作り+残り物」を「手作りのポテトサラダ」、「出来合+出前」を「出来合」、「ビン缶詰+インスタント+冷食+貰い物」を「その他」の出現割合として見てみました。

 

調理形態

 


これを見ると、調査開始当初高かった「手作り」の比率は、かなり低くなってきているようです。

M.O. ポテトサラダってさ、じゃがいも茹でて、皮剥いて・つぶして・味付けする。キュウリにハムなど他の具材も入れるなら、それを切ったり火を通したりっていう手間もかかるから、意外と面倒。やっぱり、若い主婦には、作るのが面倒くさいメニューなのかなあ。念のため、これ、年代別に見てみようよ。

 


J.K. 出来合いのポテトサラダを買う人、決して少数派とはいえないですよね。若いひとが出来合いを買って、うちの母みたいなベテラン主婦は家で作ってるんでしょうね。

 


M.O. あ、ちょっと待って、主婦年代別に出現回数も一緒に見たい。もしかして、世間が思っているほど、ポテトサラダって、もうそんなに大事なメニューじゃなくなっているのかも。実は若い人が離れていたりして・・・。

 

 

 そこで、主婦年代別×調理形態別に出現回数を積み上げたものを、時系列で追いかけてみました。

 
yajirusi
 

平均出現回数

 
※すべて2週間100世帯あたりの平均値に直しています。
※単年度ごとのブレを吸収するために3期分を平均しています。
※78年~85年は20~50代主婦の世帯が調査対象。60代主婦の世帯は87年調査から調査対象となりました。

J.K. ええ~!!若いひとだけじゃなくてどの年代でも手作りはしなくなったって感じですね。それに、昔の方が若い人がポテトサラダを買っていたようにも見えます。高齢の男性が「手作りが当たり前のポテトサラダを買うなんて」と幼児連れの女性に苦言を呈していた、ということでしたが、これを見ると、よく買っているのは若い女性だけではないし、よく買っているのはむしろ高年齢層の主婦のほうですよね!それに50代までの出現回数がかなり低くなってきていますね。

 

 

M.O. ほんとだね。これには、びっくり。これを見ると、惣菜売り場のポテトサラダも、高年齢の主婦の購買に支えられていることになる。これは、昔は作っていたけど今はあたりまえのように買えるものになった、という売り場の変化もあるかもしれないけど、昔から「ポテトサラダは買うもの」という主婦が一定数いて、その人たちが年を取った、というようにも読めるよね。自分の家の味、みたいなこだわりがある大事なメニューだと思っていたけど、その地位も崩れている気がするなあ。

 

J.K. たしかに、最近は20~50代は60代ほどポテトサラダを食べてないですね。60代以上との差がかなり開いてます。まぁわたしもほとんど食べないですけど。だってポテサラって、茹でてマヨネーズを混ぜただけじゃないですか。

 

M.O. そういえば、私も昔ほど頻繁には食べていない気がしてきた。実家ではよく食べていた気がするけど。ポテトサラダは作ったのが好きだから自分は買わないけど、惣菜売り場のいい場所に置かれているから、全年代から支持されている定番メニューだと思い込んでいたよ。いつの間にこんなことに…。 時系列で見たら、若年齢層の世帯の出現回数は、どんどん低下してるね。 ポテトサラダはそんなに別格メニューでもなくなっていて、他においしいものがたくさんある、と、そういうわけなのか??・・・

 

J.K. 手作りしているのも60代の主婦が多いですね。「大事なメニューだった」と過去形になる日も近かったりして・・。20代はポテサラ「食べない」「作らない」「買わない」って言っていいのかも?

 

M.O. そういえば、今回の「母親なら…」騒動の時は、某スーパーがお惣菜売り場に「このコーナーで売っているのはポテトサラダではありません。時間を売っているのです」って貼り出して、「若い主婦にとっては神対応だった」って話題になったけど、実は「神対応だ!」と喜んだのも「ポテトサラダくらい手作りしろ!」と高齢の男性に同意して騒いだのも、ポテトサラダをよく食卓に出す高年齢層の主婦だったりして。

 

J.K. あの話に出てきた幼児連れ女性は、貴重な若年ユーザーか、たまたま久しぶりに「ポテトサラダでも買うか」と思った人だったのに、運悪くひどい目にあわれた、ということなのかもしれませんね。

 

M.O. そう思うと、実に気の毒だね。このデータを見ると、高齢の男性に「年齢の高い主婦の方がよく買っているんだから、あなたの奥さんにそれ言いなさいよ」って言えたのにねえ。そういえば、ひとことにポテトサラダと言っても、あなたのようにマヨネーズでポテトを和えるのをポテトサラダと思っている人もいれば、いろんな具を入れている人もいる。ポテトサラダといわれるものも、千差万別かもしれないね。人のおうちのポテトサラダを見てみたいな。



 

 

ということで、「突撃、となりのポテトサラダ!」企画が進行中。
近日公開予定!? どうぞ、お楽しみに。

 



 

 メニューセンサスでは、このほかに、「実食ベースでデータを加工する」、「2週間に1回でもそのメニューを食べた世帯の割合を調べる」など様々な視点から分析が可能です。 今回の結果を見ても、食べてない人を含まずに、食べた人だけでその割合を見る必要がありそうです。 Webサービス版は簡易分析バージョンですが、以上のような発見ができて、マーケティングの諸段階でのヒントを得ることができます。 Webサービス版で検索不可能なことでも、集計可能ですので、詳細は担当までご相談ください。

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この記事を書いた人
J.K.
J.K.

マーケティング・リサーチ・サービス社員、入社2年目