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2020年12月18日
「MRSメニューセンサス」を使ってみた!『先輩と私』シリーズ~年末編~
~2020年のうちにコロナ禍の食卓を総括!結局なにがどう変わったの?~

 

 

 今年も残すところあと数日となりました。
今年は新型コロナウイルス感染症に始まり、外出自粛や休校、在宅勤務など、様々な変化が起こった
1年でした。特に、外出自粛の期間の消費者の生活は「巣ごもり」と表現され、これまでの消費行動とは異なる「巣ごもり消費」に注目が集まりました。

 人と会うことも少なくなり、支出のほとんどが家で消費する食料品だったひとも多いのではないでしょうか。  

ということで、今回はコロナ禍の食卓や意識の変化について取り上げることにしました!

J.K.は在宅勤務中、昼食を作る・食べる・片づけるまでを昼休み中にしなければならないのが大変すぎてカップラーメンをよく食べていました。
一方、先輩は新しく調理家電を導入したらしく、在宅勤務の日は毎日自炊をしているそうです!
私や先輩みたいに、家で食事をする人って増えたのでしょうか?実食率をみてみることにしました。

 

●MRSメニューセンサスとは?

 1978年から40年近く継続していることでは業界唯一の“家庭の食卓メニュー調査”です。日本の食卓の時系列変化を、コーホート的視点で分析することができます。食品メーカー、食材メーカー、キッチンメーカー、宅食業、流通業、外食産業などにおいて、商品開発や中期経営計画作りに活用されています。

▼詳しくはこちら

 

 「MRSメニューセンサス」では、総食事機会数に対する「家で食べた」回数を「実食率」と呼んでいます。たとえば、2週間のうち1人のひとの朝食の総食事機会数は14回です。このうち10回「家で食べた」とすると、このひとの朝食の実食率は71.4%となります。これを、調査に参加した全員分で計算したものをグラフ化したのが下の【実食率】です。
 

 今回はコロナ禍での変化と比較するため、各年度の春季(3~4月)の調査結果のみを並べました。

 

実食率

 

     ※20~60代主婦の世帯の世帯員すべてが対象。
     ※78年~85年は20~50代主婦の世帯が調査対象。60代主婦の世帯は87年調査から調査対象となりました。




J.K. 昼食の実食率が一気に約40年前の水準まで戻った感じですね…!なにこれすごい。

 


M.O. 40年前といえば、専業主婦がまだまだ多い頃だね。
MRSメニューセンサスでは、40年前は3/4くらいのひとが専業主婦で、今は専業主婦が4割弱くらい。平日に家で昼食を食べている専業主婦が多かった時代と同じくらいまで実食率が上がったということは、この時期に在宅率が上がった影響は間違いなくありそうだね。

 


J.K. そうですね。早い企業は1月末にはもう在宅勤務への切り替えを発表していましたし。
あと、3月は臨時休校が発表されましたよね。
それで子供や夫が家にいて、ご飯を食べさせなきゃ、というのも影響しているのかも。

 


M.O. もともと春休みの時期ではあるけれど、それがちょっと早くなったし、4月になっても学校は始まらなかったしね。この頃によく食べられたメニューってどんなものだったんだろうね。

 

 

 そこで、昼食の主食メニューで、今回の調査で伸び率が高かったものを調べてみたら、
オムライス、ピザ、トーストがベスト3となりました。
それぞれ、過去二回の出現率と比べてみると、以下のようになります。

 

昼食で伸び率の高かった主食メニュー

 

  ※20~60代主婦の世帯に限定。
  ※2020年春/2016年春比を基準としています。
  ※平均出現回数が少ないものについては除外しました。



J.K. オムライスにピザ、トースト…1品でとりあえず食事として完成するメニューばっかりですね。
確かに私も在宅勤務の日はお昼にトースト食べていました。
何品も作らなくていいし、簡単だし

 

 

M.O. それだけじゃなく、オムライスもピザも子供も好きなメニューだよね。
やっぱり主婦の昼食実食率の急上昇には、子供が家にいたという背景がありそうだね。夕食の実食率の上昇には、ふだんなら外食したり、家では食事をしない夫などが、家で食事をするという影響もあったんだろうね。

 

J.K. じゃあ、夫世代に配慮して、例のポテサラとか出してあげたのかな。
お酒のおつまみみたいなものとか。
(ポテサラについては こちらをご覧ください)

 

M.O. 外出とか買い物回数を減らす要請があったし、手間なく料理できる、というだけでなく日持ちのする商品の購買は増えて、調理形態も激変しているかもしれないね。
そういえば、お惣菜やレトルト食品とか加工食品の使用回数ってどのくらい変わった?

 

J.K. それなんですけど、3~4月の春季調査が終わって、ちょうどMRSメニューセンサスがお休みの時期に入っちゃったんですよね…。だから、春季調査に協力してくださった方に7月に電話をかけてきいてみました!
あと皆さんがどのくらい在宅勤務になっていたのかも知りたかったので、それも一緒に。

 

以下は、「レトルト食品」を使う回数に変化があったかどうかを整理したものです。

 

レトルト食品増減割合

 

勤務パターン別にみると、夫が出勤しているパターンの世帯では純増で20%の増加
対して、妻も夫も家にいるパターンの世帯での純増は38%となっています。

 

M.O. 家で食べる人数が増えると使う食品の量も増えるから、夫も妻も家にいるパターンの世帯のほうがレトルト食品をたくさん買ったというのは納得だわ。でも、妻がすべて出勤していて、夫が家にいるパターンでも結構増えている。ということは、自分で食事を作れない旦那さんや子供を家において仕事に行かなきゃ行けない女性が、旦那さんのためにレトルト食品を買って「これ食べておいて!」って出勤していたってことなんだろうなぁ。 メディアでは「手作りする生活の見直し」といったトーンでの放送が相次いだので、レトルトとか加工食品は減ってると思った人もいるかもしれないけど、実態はそんなきれいごとでは済まなかったってことだね。

 

J.K. なるほど。夫や子供のための買い置きか・・・。主婦の外出時はカレーと相場が決まってた時代があったらしいですが、時代が変わって多様化してますからねえ。
今回のようなことで、主婦が不在の食事機会が増えると、ますます冷凍食品とかインスタント食品にもバラエティが期待されそうですね。

 

M.O. 外食産業が低迷し、外食用の食材は売れ行き不振だったかもしれないけど、コロナ禍が家庭用商品の売り上げに与えた影響は計り知れないはずよね。
メーカーさんにはここで得た利益を、この先の変化を見据える調査に使っていただきたいね。
同じレトルト食品でも、ニーズの変化にまだまだ対応できそうだし、「おかずの手作りが増えた」という感覚的な話で納得せず、「手作り」のレベルや内容、「手作りした」という感覚を満足させるメニューってどんなものなのか、とか。

 

J.K. 追加調査で、この春起こった変化について、今後も続けたいのか否かを確認しています。例えば自家製のぬか漬けを作り始めた人や手作りデザートを作った人は今後も継続したいと思っているようです。

 

M.O. なるほど。時間があるのでやってみたら、何かしら価値を感じるものがあったんだね。
売り手側は、その変化のエッセンスを自社商品で考えてみたらいいね。 手作りの良さが再認識されたとしても、この何十年続いてきた「簡便化」の流れはここで止まるわけではないだろうけど、目に見えないニーズの変化はとらえたいね。 時間がない在宅ワーク者向けの昼食マーケットなんて、まだまだ手を付けられてないから、うまく掴んだら莫大な利益を生むかもね。

 

J.K. データの変化が大きいので、ブレストするだけでもアイデアが膨らみますー。



 

というわけで、 『特別レポート:コロナ禍の食実態と意識』を発刊しました! 
今後の見通しについても言及しています。
レポートやデータの提供だけではなく、それを基にした勉強会やディスカッションもあわせて承っています。ぜひお問い合わせください!

 
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この記事を書いた人
J.K.
J.K.

マーケティング・リサーチ・サービス社員、入社2年目